製造業で使えるシステムとは|導入手順と失敗しない選び方のポイントも解説

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製造業のシステム導入、「何から選べばいいのか」と迷っていませんか。この記事では、設計・管理・製造の3シーンで使えるシステムをわかりやすく解説します。

導入手順と失敗しない選び方のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

目次

  1. 製造業のシステムは3つのシーンに分かれる
  2. 製造業のシステム|設計編
  3. 製造業のシステム|管理編
  4. 製造業のシステム|製造編
  5. 製造業でシステムを導入する5つの手順
  6. 製造業でシステムを選ぶ際の5つのポイント
  7. 製造業のシステムはさまざま!実務に合ったものを選びましょう
 

1.製造業のシステムは3つのシーンに分かれる

製造業で使われるシステムは、以下の3つに大きく分類されます。

 

2.製造業のシステム|設計編

ここでは、設計作業を効率化する2つのソフトを紹介します。


それぞれ詳しく見ていきましょう。
  

2-1.図面作成ソフト

図面作成ソフトは、製品や部品の形状を正確に設計するためのツールです。代表的なものには、2次元CAD3次元CADがあります。

2次元CADは平面図や断面図の作成に適し、シンプルな構造の設計に向いています。一方、3次元CADは立体的なモデルを作成でき、複雑な形状や組み立ての確認に役立ちます。どちらも設計の効率化や精度向上に欠かせません。

なお、3次元CADソフト「SOLIDWORKS」についてより詳細に知りたい方は、こちらのページも参考にしてください。

参考|SOLIDWORKSのTOPページ


2-2.自動設計ソフト

自動設計ソフトは、図面作成ソフトで作ったマスターモデルをもとに、部品や派生図面を自動生成するツールです。設計者が一から図面を描く手間を減らし、作業時間を大幅に短縮できます。

さらに、設計ミス防止や標準化にも効果的で、多品種生産の現場に最適です。

なお、自動設計についてより詳細に知りたい方は、こちらのページも参考にしてください。

参考|SOLIDWORKSの自動設計ページ

 

3. 製造業のシステム|管理編

設計だけでなく、図面や生産、販売を管理する仕組みも重要です。ここでは、代表的な管理システムを紹介します。


自分の所属部署と照らし合わせて読み進めてください。

  

3-1.図面管理システム

図面管理システムは、設計図面を効率的に保存・共有するためのツールです。紙や個別フォルダで管理していると、最新版の確認や検索に時間がかかり、ミスの原因になります。

このシステムを導入することで、図面のバージョン管理やアクセス権を設定でき、情報の一元化とセキュリティ管理が実現します。

なお、新明和ソフトテクノロジが提供する図面管理システム「NAZCA5 EDM」は、製造業向けに機能を厳選したシステムです。こちらから資料をダウンロードいただけます。

参考|NAZCA5 EDMの資料ダウンロードページはこちら

 

3-2.販売管理システム

販売管理システムは、受注から出荷、請求までの流れを一元管理するツールです。たとえば、受注情報を入力すると在庫状況を自動で確認し、出荷指示や納期調整まで連携可能です。

また、請求書の発行や入金管理もシステム上で行えるため、取引先への対応が迅速に進みます。これにより、情報の重複や入力ミスを防ぎ、業務効率と顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
 

3-3.原価管理システム

原価管理システムは、製品のコストを正確に把握し、利益を確保するためのツールです。たとえば、材料費や人件費を自動で集計し、製造過程ごとの原価をリアルタイムで表示できます。

さらに、予算と実績を比較して差異を分析し、改善策を検討することも可能です。これにより、コスト構造の見える化が進み、価格設定や経営判断の精度が高まります。

 

3-4.生産管理システム

生産管理システムは、製造計画や進捗状況を統合的に管理するツールです。たとえば、受注量に応じて生産スケジュールを自動で調整し、必要な部品の在庫を確認して不足分を発注できます。

また、現場の作業進捗をリアルタイムで把握し、遅れが発生した場合には工程の再編成も可能です。これらの機能により、納期遵守や生産効率の向上が期待されます。

 

3-5.工程管理システム

工程管理システムは、製造工程の進行状況を可視化し、計画通りに作業を進めるためのツールです。たとえば、各工程の開始・終了時間を記録し、遅れが発生した場合に次工程へ通知可能です。

また、作業負荷を分析して人員配置を調整したり、品質検査の結果を工程ごとに管理したりすることにも対応します。結果として、現場のトラブルを早期に発見し、安定した生産体制の維持につながります。

 

4.製造業のシステム|製造編

製造現場では、設計や管理だけでなく、実際の生産工程を支えるシステムも大切です。ここでは、現場での生産性と品質を高める2つのシステムを紹介します。

 

それぞれ参考にしてみてください。

4-1.3Dシミュレーションシステム

3Dシミュレーションシステムは、製造工程を仮想空間で再現し、問題を事前に確認するためのツールです。たとえば、組立ラインのレイアウトをシミュレーションして、作業動線の無駄を減らしたり、ロボットの動きを検証して干渉を防いだりできます。

また、加工条件を試験的に設定し、品質や生産時間への影響を予測することも可能です。現場でのトラブルを未然に防ぎ、効率的な生産体制を構築します。

なお、新明和ソフトテクノロジでは、製造ラインや加工プロセス、物流倉庫、マテハンなどのシミュレーションモデルを非常に軽量な3Dグラフィックで構築し、モノ・ヒトの流れを計算するソフトウェア「FlexSim」を取り扱っています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

 参考|FlexSimページ


4-2.稼働監視システム

稼働監視システムは、設備や機械の稼働状況をリアルタイムで把握し、異常を早期に検知するためのツールです。たとえば、工作機械の稼働時間や停止時間を自動で記録し、稼働率を分析できます。

また、温度や振動などのセンサー情報を監視し、異常値を検出した際にはアラートを発信することも可能です。こうした機能は、故障によるライン停止の防止や、安定した生産につながります。

なお、新明和ソフトテクノロジでは工場設備の稼働監視システム「Nazca Neo Linka」を取り扱っています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

 参考|Nazca Neo Linka ページ

 

5.製造業でシステムを導入する5つの手順

製造業で新しいシステムを導入する際は、いきなり選定や購入に進むのではなく、計画的な手順を踏むことをおすすめします。ここでは、基本となる5つの手順を紹介します。

  1. 現状を分析し、課題を洗い出す
  2. 優先順位を決め、システム化する範囲を決める
  3. システムを比較し、選定する
  4. トライアルにより検証する
  5. 本番運用を開始する

 

順に見ていきましょう。

 

5-1.現状を分析し、課題を洗い出す

システム導入を始めるうえで重要なのは、現状の業務を正確に把握することです。たとえば、図面管理に時間がかかっている、在庫情報がリアルタイムで確認できないなど、具体的な問題点を洗い出します。

現場担当者へのヒアリングや業務フロー見直し、どこに非効率があるのかを明確化することが重要です。この段階で課題を整理することで、改善すべき領域が見えてきます。

5-2.優先順位を決め、システム化する範囲を決める

課題が整理できたら、どの領域から取り組むかを決めましょう。すべてを一度にシステム化しようとすると、コストや工数が膨らみ、失敗のリスクが高まります

たとえば、図面管理や在庫管理など、業務への影響が大きい部分を優先する方法があります。また、現場で負担が大きい作業や、改善効果が高い領域を選ぶことで、取組みをスムーズに進められるでしょう。

5-3.システムを比較し、選定する

候補となるシステムを複数ピックアップし、機能や操作性を比較します。たとえば、図面管理なら検索機能の精度やアクセス権設定の柔軟性、販売管理なら在庫連携や請求処理の自動化などを確認します。

また、導入後のサポート体制や、既存システムとの連携可否も重要な評価ポイントです。こうした比較をすることで、自社の業務に最も適したシステムを選びやすくなります

5-4.トライアルにより検証する

システムを選定したら、試験的に運用して検証しましょう。もし、不確実な課題や要素がある場合は、PoCProof of Concept)を実施し、トライアルで実現性を検証することで、導入のリスク、コストアップを事前に防止可能です。

たとえば、図面管理システムなら一部の設計部門で利用し、検索機能や操作性を確認します。販売管理システムなら、受注から請求までの流れをテストし、業務に支障がないかをチェックします。

トライアルを通じて、現場での使いやすさや機能の適合性を見極めることが重要です。

5-5.本番運用を開始する

トライアルで問題がなければ、本番運用に移ります。まずは対象部門に展開し、操作方法や運用ルールを周知します。現場で混乱が起きないよう、マニュアルや研修を用意しておくと安心です。

運用開始後は、利用状況を定期的に確認し、改善点をフィードバックすることが欠かせません。こうした取り組みにより、システムが定着し、業務効率化の効果を最大限に引き出せます。



6.製造業でシステムを選ぶ際の5つの手順

機能や価格だけで決めると、現場に合わず失敗するケースもあります。ここでは、製造業のIT管理者が押さえておくべき5つのポイントを紹介します。

 

 

ぜひ検討の際に役立ててください。

 

6-1.自社の実務に合うか確認する

システムは機能が充実していても、現場の業務に合わなければ使いづらくなります。たとえば、図面管理システムを導入しても、現場が紙図面中心なら効果は限定的です。

まず「どの業務を効率化したいのか」を明確にし、現場の作業フローに沿った機能を備えているか確認しましょう。さらに、導入前に現場担当者の声を取り入れることで、実際の運用に即した選定が可能です。

 

6-2.スモールスタートで始める

いきなり全社展開するのではなく、小規模から始めるのが安全です。たとえば、工程管理システムを全ラインで同時に導入すると、設定や教育に時間がかかり、生産に影響する可能性があります。

まずは一部の工程や部署で試験運用し、問題点を洗い出すことが重要です。小規模で始めることで、改善策を反映しながら段階的に拡大でき、現場の負担も軽減できます。

 

6-3.メーカー(ベンダー)のサポート体制を確認する

システムは導入して終わりではなく、運用中のサポートが不可欠です。たとえば、トラブル発生時に迅速な対応が可能か、操作に関する問い合わせ窓口が整備されているかを確認しましょう。

さらに、定期的なアップデートや機能改善の提供があるかも重要なポイントです。サポート体制が充実していれば、安心して長期的に利用できます。

 

6-4.効果が得られるコストか判断する

システム導入には費用がかかるため、投資対効果を見極めましょう。

図面管理システムなら、検索時間の短縮やミス削減による工数削減がどの程度期待できるかを試算します。販売管理システムでは、受注処理の自動化による人件費削減や納期遵守率の改善が評価ポイントです。

コストだけでなく、得られる効果を数値で把握することで、納得感のある判断ができます

 

6-5.既存システムとの連携可否を確認する

新しいシステムが既存の販売管理や工程管理と連携していない場合、二重入力やデータ不整合が発生し、業務が複雑になります。

たとえば、図面管理システムがERPと連携できなければ、情報更新の手間が増えます。導入前に、APIやデータ連携の仕様を確認し、必要なら追加開発の有無も把握しましょう。

スムーズな連携は、業務効率化を実現するために欠かせません



7.製造業のシステムはさまざま!実務に合ったものを選びましょう

製造業で活用できるシステムは、設計・管理・製造と幅広く存在します。しかし、重要なのは「自社の業務に合ったシステムを選ぶこと」です。機能が豊富でも、現場で使いこなせなければ効果は出ません。

導入前に課題を整理し、連携やサポート体制も含めて慎重に検討しましょう。最適なシステム選定は、生産性向上やコスト削減に直結します。

最も重要なことは、「目的・ゴール」を設定し、想定する「効果」を設定することです。システム導入後は、これに対して評価をすることをお勧めします。

当社はさまざまな製造ソリューションを取り扱っております。製造業のシステムに関するご相談は、ぜひ新明和ソフトテクノロジまでお気軽にお問い合わせください。


参考|新明和ソフトテクノロジ 公式サイト

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