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製造業で図面管理システム導入を検討している方に、AI類似図面検索機能の有効性を業種別に解説します。また、AI類似図面検索を利用せず検索精度を高める方法と、導入する場合の注意点もまとめました。

図面管理システムのAI類似図面検索機能の有効性とは?業種別の向き・不向きを解説

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図面管理システムのAI類似図面検索機能の有効性とは?業種別の向き・不向きを解説

製造現場では、過去図面の再利用や設計効率の向上を目的に、AIによる「類似図面検索機能」を導入する企業が増えています。しかし、この機能を導入しても、期待した効果を得られないケースも見受けられます。

業種・業態や製品によって、「似ているだけで使えない図面」をAIが大量に抽出してしまい、かえって検索精度や運用効率を下げてしまうことがあるためです。

この記事では、AI類似図面検索の向き・不向きのパターンを解説します。また、AIに頼らず効率的に図面を検索する方法もまとめました。図面管理システム導入を検討中の方は、自社に最適な検索手段を見極める参考にしてください。

 

 

1.AI類似図面検索が必須とは限らない業種・業態

AI類似図面検索機能が必須とは限らない3つのパターン

AI類似図面検索は、一見すると「どのような企業でも業務効率を高められる便利な機能」に思えます。しかし、実際には導入しても十分に活用できないケースもあるため注意が必要です。

ここでは、AI類似図面検索が向いていない可能性が高い業種・業態を2つ紹介します。

  • 似ている図面が大量に保存されている(量産生産型)
  • わずかに仕様の異なるモノを製造している(受注生産型)


自社の図面構成や業務フローが、AI検索に向いているかを見極める参考にしてください。

 

1-1.似ている図面が大量に保存されている(量産生産型)

過去に設計した図面が膨大に蓄積され、同系統の製品が多数存在する場合、AI類似図面検索はかえって非効率になることがあります。AI類似図面検索は「形状の近さ」を基準に抽出するため、似通った図面が多いほどヒット件数が膨れ上がり、必要な情報を探しにくくなるためです。

「期待した図面と微妙に違う図面」が検索結果に抽出されることで、結局は人が1件ずつ内容を確認しなければならない状況に陥ります。以下に、過去図面が膨大で「似すぎ問題」が起きやすい業種・業態をまとめました。

 

業種・業態

おもな特徴

AI類似検索が向かない理由

自動車部品メーカー

同一部品を微修正して派生モデルを量産

類似形状が多すぎて、AIが差を識別しづらい

建設機械・農機メーカー

モデルチェンジが頻繁で部品構成が類似

検索ヒット数が多く整理に手間がかかる

樹脂・金型成形メーカー

金型構造が似た製品を多数保有

小さな差分までヒットし精度が下がる

板金・筐体設計業

パネル形状が類似して区別が難しい

「似ているだけ」の図面が多く再確認が必要

電機・電子機器メーカー

派生モデルの図面が世代ごとに積み上がる

過去図面の重複管理が煩雑化しやすい

 

図面数が多い企業では、まず属性や品番などで絞り込み、対象を限定してから検索する仕組みのほうが、実務には向いているでしょう。

 

1-2.わずかに仕様の異なる一品モノを製造している(受注生産型)

顧客や案件ごとに個別設計を行う「受注生産型」の業態では、AI類似図面検索の効果が限定的になるケースがあります。量産品のように共通構造が繰り返されることが少なく、都度カスタマイズされるため、AIが形状や寸法、構造の共通の特徴を抽出しづらいのです。

AIが「似ている」と判定しても、実際には、軽微な仕様違いのため特徴が抽出できず、結果大量の図面がヒットし、再検索や確認作業が発生することも。以下に、一品モノ・個別仕様が中心でAI検索が馴染みにくい業種・業態を整理しました。

業種・業態

おもな特徴

AI類似検索が向かない理由

特注機械・FA装置メーカー

案件ごとに都度設計・寸法変更

同一形状でも内部構造が異なり誤判定が多い

治具・工具メーカー

顧客設備ごとに独自設計

図面流用が少なく、類似検索の効果が限定的

試作・研究開発メーカー

設計思想や条件が都度異なる

共通パターンがなく、AI学習が困難

建築金物・内装部品メーカー

現場ごとの寸法に合わせて製作

小さな差異をAIが同一扱いするリスクがある

精密機器メーカー

細部仕様が毎回変化し再利用困難

類似よりも設計履歴の追跡が重要になる

 

受注生産型では、図面間の共通要素が少ないため、AIが有効に学習できないケースが多く見られます。そのため、AIによる形状比較よりも、「どの案件で、どの仕様を採用したか」を記録・検索できる履歴管理機能を整備するほうがよいでしょう。

 

2.AI類似図面検索が使いこなせる可能性が高いケース

AI類似図面検索機能が使いこなせる可能性が高い3つのパターン

AI類似図面検索は、すべての製造現場に適しているわけではありませんが、一定の条件が整えば、設計・生産のスピードを大幅に高める強力なツールになります。ここでは、AI類似図面検索が効果的に機能しやすい2つの条件を紹介します。

  • 似ている図面が少ない
  • 仕様が大幅に異なるモノの製造が多い


それぞれ見ていきましょう。

 

2-1.似ている図面が少ない

図面点数が多くても、形状や構造が明確に異なる場合は、AI類似図面検索の効果が発揮されやすくなります。AIは「似ている形を見つける」よりも、「異なる特徴を識別する」ことが得意です。そのため、形状や構造の差が明確な図面が多いほど、AIは正確に分類・検索結果を導きやすくなります

似通った形状が少ない環境では、検索結果のノイズが減り、設計者が必要な図面を素早く見つけられます。過去図面の構成や命名ルールが整理されていれば、AIの認識精度も向上し、誤判定のリスクを抑えられるでしょう。

 

2-2.仕様が大幅に異なるモノの製造が多い

製品ごとに構造や機能、使用環境が大きく異なる業態では、AI類似図面検索の活用効果が高まりやすい傾向にあります。AIは形状や寸法の差異を特徴として認識するため、設計仕様が明確に異なるほど、類似度の判定精度が安定するためです。

たとえば、用途やサイズ、負荷条件が大きく異なる装置部品を多く扱う企業では、過去の「近い構造」を効率的に抽出できます。ゼロから設計する手間を減らし、試作コストや設計時間の短縮にもつながるでしょう。

 

3. AI類似図面検索は学習が必要?導入検討時の注意点

AI類似図面検索は、導入した直後から理想的な精度で動作するとは限りません。多くのシステムは、実際の利用データをもとにAIが学習を重ね、徐々に検索精度を高めていく仕様が採用されています。そのため、「現場で使いこなす期間を要する」ことを考慮しなければなりません。

導入を検討する際は、どの程度の学習期間を経て実用レベルに到達するのか、実際の運用条件を踏まえて確認しておくと安心です。事前に理解を深めておくことで、導入後のギャップを防ぎ、計画的に導入できます。

 

4. AI類似図面検索だけに頼らないおすすめの図面検索方法

AI類似図面検索機能だけに頼らないおすすめの図面検索方法

AI類似図面検索は便利な一方、すべての現場に万能とはいえません。類似精度の限界やデータ量の偏りによって、AIが意図しない図面を抽出してしまうことがあるためです。ここでは、AI類似図面検索に依存しすぎず、より精度と再現性を高めるための3つの方法を紹介します。

  • 属性検索が充実している
  • 図面の類似検索とは異なるAI検索技術を組み合わせる
  • AI類似図面検索機能を補助的な役割で活用する


図面管理システムにAI機能を求めるか否かお悩みの方は、参考にしてください。

 

4-1.属性検索が充実している

図面検索の基本は、属性情報を整理し、検索条件を明確に設定できる仕組みを整えることです。以下に、最低限登録しておくとよい代表的な属性項目をまとめました。

属性カテゴリ

代表的な項目例

活用目的

基本情報

図面番号/図面名/品名/図面種類 

検索の基礎条件として最も使用頻度が高い

製品仕様

材質/サイズ/重量/表面処理

加工可否や設計流用の判断に役立つ

設計管理

設計者/部署/作成年月/版数

図面の責任者や更新履歴を特定できる

製造・工程情報

使用工程/設備名/加工方法

製造工程ごとの検索・分析が可能

顧客・案件情報

顧客名/案件番号/納入先

受注履歴や類似案件の検索に有効

品質・承認関連

承認者/検図日/改訂理由

承認プロセスや変更履歴の追跡に活用

 

属性検索の利点は、AIのように曖昧な推測ではなく、確実な条件で検索できることです。とくに製造業では、図面番号や版数、使用工程などをキーに検索するシーンが多く、属性情報の精度が業務効率を大きく左右します。

AI類似図面検索を導入する前に、まず社内の図面属性を体系化し、誰が使っても同じ結果が得られる環境をつくることが重要です。これにより、AIに頼らずとも高速かつ正確な検索が実現します。

また、このように属性を体系的に整理しておけば、図面管理システム全体の検索精度が底上げされ、AI機能をあとから導入する際にも、スムーズに取り入れられるでしょう。

 

4-2.図面の類似検索とは異なるAI検索技術を組み合わせる

AIを図面の形状解析に使うのではなく、「どのような条件で、誰が、何を探しているか」という検索行動を学習させる活用法もあります。

属性検索でいくつかの条件を入力したあと、AIが担当者の過去案件や検索履歴をもとに図面を探してくれる方法です。「この人がこの条件を入れたなら、この製品の図面を探しているはず」と判断し、該当候補が表示されます。

これは、図面データを直接比較するAI類似図面検索とは異なり、検索意図や担当履歴に基づいて「次に必要な図面」を予測する仕組みです。実際の現場では、担当者によって検索のクセや使用頻度が異なります。AIがその傾向の学習を積み重ねると、検索精度とスピードの両立が可能です。

さらに、LLM&RAGを利用することで、図面にはない情報(製品仕様、BOMなど)を用いて、企業の既存情報資産を活用して、対象の図面を見つける方法もあります。このように、属性検索を主軸としながらAIによる行動予測を組み合わせることで、より「現場の感覚に近い」検索を実現できるでしょう。

 

4-3.AI類似図面検索機能を補助的な役割で活用する

AI類似図面検索は、単独で運用するよりも、ほかの検索方法を補助する形で使うと効果的です。属性やキーワードで大まかに絞り込み、そのあとにAI類似図面検索で「候補を補完する」流れを取ることで、精度と効率の両立が図れます。

たとえば、型番や用途などで条件を設定し、残った図面の中からAIが形状的に近いものを自動で抽出すれば、ヒット件数のノイズを抑えつつ再利用のチャンスを広げられます。

AIを「最終チェック」や「発想補助」の位置づけで使えば、過剰な自動化による混乱を防ぎつつ、設計者の判断力をサポートできるでしょう。

 

5.属性検索なら製造業に特化した「NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)」がおすすめ

属性検索なら製造業に特化した「NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・いーディエム)」がおすすめ

AIに頼らず、確実で再現性の高い図面検索を実現するには、属性情報を自在に扱える専用システムの導入が効果的です。その代表例が、製造業に特化して開発された図面管理システム「NAZCA5 EDM」です。

NAZCA5 EDMは、図面や設計文書を一元管理しながら、属性・品番・担当者などさまざまな条件で素早く検索できます。さらに、部品表(BOM)や関連資料とのリンク機能を備え、製造現場での情報共有や再利用をスムーズにします。クラウド・オンプレミスの両環境に対応しており、自社のセキュリティ要件に合った柔軟な運用を実現します。

新明和ソフトテクノロジは、大手製造業「新明和工業」を親会社にもつ製造ITのプロフェッショナルです。ぜひ弊社が提案するパッケージである、図面管理システム「NAZCA5 EDM」をチェックしてください。

参考|製造業に特化した図面管理システム「 NAZCA5 EDM」の詳細はこちら

 

6.AI類似図面検索は必須でない場合も!自社の業種・業態を考慮して判断を

AI類似図面検索機能は必須でない場合も!自社の業態を考慮して導入を判断しましょう

AI類似図面検索は、導入すれば自動的に業務効率が上がる魔法のツールではありません。図面の構成や運用ルール、製品特性によっては、むしろヒット数が多すぎたり、精度が安定しなかったりすることもあります。

図面管理の仕組みは、企業の「ものづくりの土台」を支える大切な基盤です。AI頼りになりすぎず、まずは現状の図面管理方法を整理し、AI・属性検索・運用ルール の最適なバランスの検討から始めましょう

新明和ソフトテクノロジでは、長年培った製造業のノウハウをもとに、現場の課題を丁寧にヒアリングし、業態や運用実態に合った最適な図面管理の形を提案します。

AI機能を導入すべきか迷っている方や、自社にフィットする仕組みを明確にしたい方は、ぜひ一度ご相談ください。御社の図面管理に「本当に必要な機能・運用方法」を見つけるためにサポートします!

参考|新明和ソフトテクノロジへのお問い合わせはこちら

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