※本記事は2024年11月14日に公開した記事を、2026年7月10日に更新したものです。
特別なシステムを導入せずにすぐ始められる手軽さから、図面データをフォルダ管理する製造業は多い傾向があります。ただし、命名ルールやセキュリティ対策を整備しないまま運用すると、思わぬ課題につながりかねません。具体的には、最新版がわからなくなったり、必要な図面データが見つかりにくくなったりする場面が出てきます。とくに、複数の担当者がかかわる現場ほど、ルールの統一が難しくなるでしょう。
こちらでは、図面データをフォルダ管理する製造業が多い理由から、実際の整理手順、運用時に起こりやすい課題を順にまとめました。図面データのフォルダ管理を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
フォルダ管理は、多くの製造業で採用されている運用方法です。選ばれている理由をそれぞれ見ていきましょう。
図面データを管理する方法にはいくつかの選択肢がありますが、フォルダ管理は手軽に始められる点で選ばれやすい方法です。図面管理ソフトや専門知識がなくても、パソコンの標準機能だけでデータ整理が可能です。とくに情報システム部門を持たない中小規模の製造業では、専任の担当者を置かずに運用しやすい点が評価されています。
すでに社内で使い慣れた方法をそのまま活かせるため、新たに操作を覚え直す必要もありません。導入のハードルの低さが、多くの製造業でフォルダ管理が採用されている理由の1つです。
企業ごとの業務フローやプロジェクトの進め方に沿って、フォルダ構成を自由に設計可能です。すでに社内に根づいている整理の仕方やルールをそのまま使えるため、新しい運用に合わせて一から仕組みを作り直さずにすみます。
部署やプロジェクトごとに異なるやり方が混在していても、フォルダ単位で柔軟に対応できます。使い慣れたやり方を維持しながら管理を始められる点は、現場にとって大きな利点といえるでしょう。
図面データの管理には、必ずしも新しいシステムへの投資が必要というわけではありません。フォルダ管理であれば、既存のパソコンやファイルサーバーの環境をそのまま活用できるため、新規導入予算は不要です。
図面管理システムを導入する場合は、初期費用や月額利用料といったランニングコストが発生します。フォルダ管理ならこうした費用がかからないため、予算の確保が難しい場合でも取り組みやすいでしょう。コストを抑えながら図面データを整理したい企業にとって、始めやすい選択肢といえます。
図面データのフォルダ管理は、進め方を誤ると手戻りが発生しやすくなります。ここでは、スムーズに運用を始めるための手順を、3つに分けて整理しました。順に見ていきましょう。
多くの製造業では、長年蓄積してきた紙の図面が数多く保管されています。これらをフォルダ管理で活用するには、まずスキャナーや複合機を使ってパソコンで扱えるデータに変換する作業が欠かせません。スキャン時には解像度やファイルサイズにも配慮し、品質を保ちながら扱いやすいデータに仕上げることがポイントです。ファイル形式はPDFなど汎用性の高い形式を選ぶと、後工程での検索や共有がしやすくなります。大量の図面を一度にデータ化する場合は、まとめて処理できる体制を整えておくと作業がスムーズです。
NAZCA5 EDMは、紙図面のデジタル化から検索・共有までを1つの画面で扱える図面管理システムです。実際にデジタル化を進めた効果を具体的に確認したい方は、導入事例をご覧ください。
フォルダ管理は誰でも扱いやすい反面、アクセス権の設定を怠ると情報が漏れやすくなるという側面があります。保存場所は社内の誰もが自由に触れる状態を避け、必要な人だけに利用を限定する仕組みを整えることが重要です。
外から図面を確認する機会がある場合は、クラウドストレージを活用すると、社内外を問わずアクセスしやすくなります。プロジェクトごとにフォルダを分け、設計チームには編集権限、営業チームには閲覧権限のみを付与するといった運用も有効です。定期的にバックアップを取っておけば、万が一のデータ消失にも備えられ、トラブルを避けやすくなります。
フォルダ内のファイル名や階層構造にルールがないと、担当者ごとに保存の仕方が異なり、同じ図面でも呼び方がばらついてしまいます。命名ルールは、「プロジェクト名_図番_日付_バージョン番号」のように項目を並べる形式にすると、ファイル名を見ただけで内容を把握しやすくなります。項目ごとに確認できる内容は以下のとおりです。
| 項目 | 確認できる内容 |
|---|---|
| プロジェクト名 | どの案件に関連する図面か |
| 図番 | 図面を一意に特定する番号 |
| 日付 | いつ作成・更新されたか |
| バージョン番号 | 最新版か過去版か |
「設計図」「製作図」「検査図」のように図面の種類ごとにフォルダを分けておくと、目的の図面を探しやすくなります。プロジェクトごとにサブフォルダを設ければ、種類と案件の両方の軸で整理しやすくなり、フォルダ構成をシンプルに保てます。
ただし、命名ルールやフォルダの分類基準を統一しても、階層が深くなるほど目的の図面データを探すのに時間を要し、運用の限界が見えてくるものです。フォルダ管理の次にどのような選択肢があるのか知りたい方は、段階的に整理した記事もあわせてご覧ください。
関連記事:製造業の図面管理システム、どこまで求める? フォルダ管理、検索・管理システム、AI類似図面検索まで
運用を始めた当初は問題なく感じられても、扱う図面データが増えるにつれて対応しきれない場面が出てきます。ここでは、よく起こりがちな3つの課題を取り上げます。
フォルダ管理では、図面データを更新するたびに、日付やバージョン番号をファイル名へ手動で追記する運用になりやすいものです。担当者によって更新の仕方にばらつきが出ると、どれが最新版か判断しにくくなります。なかでも、設計変更が頻繁なプロジェクトでは誤って古いバージョンを使用してしまい、トラブルにつながることも少なくありません。
バックアップの面でも、図面データは高解像度のものが多く容量が大きくなりやすいため、手動での取得や保存先の管理には時間と手間がかかります。作業が属人化すると、見落としが発生し、いざというときに必要なデータを復元できないおそれもあるでしょう。また、保存先の容量を確保し続ける必要があるため、運用が長期化するほどストレージのコストもかさみやすくなります。
一般的なフォルダ機能では、閲覧・編集・削除といった操作をユーザーごとに細かく制御することが難しく、フォルダ単位でのアクセス制限にとどまるケースが多く見られます。標準機能だけでは対応しきれないことがあるためです。結果として、誰でも編集・削除できる状態が続き、意図しない変更や消去のリスクが残ります。
NAZCA5 EDMは、ユーザーごとに閲覧・編集などの権限を細かく割り振れる図面管理システムです。フォルダ管理では難しいアクセス制御を実現したい方は、権限管理を含めた基本機能をご確認ください。
フォルダ管理では、ファイル名や保存場所をもとに図面データを探す必要があり、内容や属性値から直接検索する仕組みがありません。そのため、階層が深くなるほど目的の図面データにたどり着くまでのクリック数が増え、時間がかかってしまいます。フォルダを1つずつ開いて探すほかなく、負担はさらに大きくなるでしょう。
とくに担当者が異動・退職したあとは、その人独自の整理方法が引き継がれず、ほかのメンバーが探し出すのに苦労するケースもあります。
図面データのフォルダ管理は、特別なシステムがなくても始められる手軽さがあります。ただし、バージョン管理やバックアップ、アクセス権限、検索性といった課題は運用を続けるなかで見えてきます。命名ルールやフォルダ分けを工夫しても、扱う図面データが増えるほど、フォルダだけでの管理には限界が生じやすくなるものです。
NAZCA5 EDMは、フォルダ管理で生じやすい課題を、版管理やアクセス権限、検索機能などでまとめて解消できる図面管理システムです。フォルダ管理からの移行を検討したい方は、機能や特長をまとめた資料をご覧ください。
A.専用のソフトウェアや専門知識がなくても、パソコンの標準機能だけですぐに始められるためです。既存の業務フローに合わせて構成を自由に設計でき、新たな投資も不要な点が選ばれる理由です。
A.紙の図面をデジタル化し、アクセス権限を設定したセキュアな環境を用意したうえで、命名ルールとフォルダの分類基準を統一する、という3つの手順で進めます。
A.バージョン管理やバックアップの手間、アクセス権限設定の難しさ、必要な図面データを探しにくくなる点が代表的な課題としてあげられます。