1. HOME
  2. media
  3. お役立ち情報
  4. 図面管理における最適な選択は?エクセルと図面管理システムの比較

お役立ち情報

面管理の効率化は、製造業や建設業にとって重要な課題です。エクセルを利用して図面の進捗状況や変更履歴を管理している方も多いでしょう。しかし、エクセルでの管理にはいくつかの課題があります。そこで、本記事ではエクセルによる図面管理とシステムによる図面管理を比較し、どちらが図面管理に最適なのかを探っていきます。

図面管理における最適な選択は?エクセルと図面管理システムの比較

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
図面管理における最適な選択は?エクセルと図面管理システムの比較

図面管理の効率化は、製造業や建設業にとって重要な課題です。エクセルを利用して図面の進捗状況や変更履歴を管理している方も多いでしょう。しかし、エクセルでの管理にはいくつかの課題があります。

そこで、本記事ではエクセルによる図面管理とシステムによる図面管理を比較し、どちらが図面管理に最適なのかを探っていきます。

図面管理に興味を持っている方や、現在エクセルで図面管理を行っている方は、ぜひ参考にしてください。

 

1.エクセルによる図面管理の現状と課題

oyakudachi_10_1.jpg

多くの設計部門の管理者は、手軽さから図面管理にエクセルを活用して図面の進捗状況や変更履歴を管理しています。しかし、この方法にはいくつかの課題が存在します。

ここでは、エクセルによる図面管理の現状とその課題について詳しく解説します。

1.1 エクセルでの図面管理の普及状況

図面管理と聞くと、ソフトウェアによる管理を想像するかもしれませんが、エクセルが広く用いられています。とくに小規模の製造業では、コストや手軽さからエクセルを利用して図面を管理するケースが多く見受けられます。

エクセルを用いた図面管理の方法としては、テンプレートやマクロを活用することが一般的です。たとえば、図面の進捗状況や変更履歴を追跡するために、あらかじめ専用のテンプレートを作成し、各図面の状態を簡単に把握できるように工夫されています。

これにより、手作業での入力ミスを減らし、効率的な管理が可能です。また、エクセルのセルやシートを利用して、図面管理台帳を構築し、各図面の情報を一元管理できます。

エクセルの普及の背景には、特別なソフトウェアの導入が不要で、誰でも使いやすいことが挙げられます。しかし、その一方でエクセルでの図面管理にはいくつかの課題も存在します。

1.2 エクセルによる図面管理の課題

エクセルによる図面管理には、以下の3つの課題が存在します。これらの課題は、プロジェクトの進行や効率に大きな影響を与える可能性があります。

特に、大規模な製造業や建設業では、これらの問題が顕著に現れ、図面管理の効率が低下することがあります。ぜひ、自身の課題と照らし合わせてみてください。

セキュリティの問題

エクセルは本来個別のPCで使用されることを想定して作られており、セキュリティの確保は個々のユーザーに委ねられています。そのため、エクセルファイルは容易にコピーや改ざんが可能です。

パスワード保護やファイルの暗号化を行うことで、ある程度のセキュリティは確保できますが、完全な保護は難しいです。また、ファイルが社内外に共有される場合、意図しない漏洩のリスクも高まります。

スケーラビリティの問題

プロジェクトが大規模になると、エクセルでの管理が困難になってきます。シートやファイルの数が増えて全体の把握が難しくなったり、データ量が膨大になったりすると、エクセルの処理速度が低下し、操作が遅くなることがあります。

さらに、複雑な関数やマクロを多用すると、エラーの発生率も高くなります。データの整合性を保つことが難しくなり、管理の効率が低下するリスクがあります。

共同作業の問題

エクセルファイルを複数の担当者が同時に編集する場合、バージョン管理や変更履歴の追跡が困難です。同じファイルを複数人で編集すると、データが上書きされるリスクがあり、誰が何を変更したのかを正確に把握することが難しくなります。これにより、情報の一貫性が保たれず、ミスやトラブルが発生しやすくなります。

カタログダウンロード


2.エクセルで図面管理をする工夫


多くの課題がありながらも、エクセルは馴染み深いツールのため、適切な工夫をすることで、図面管理にも活用できます。 ここでは、エクセルを図面管理に活用するためのポイントを解説します。

  • テンプレートやマクロの活用による作業効率化
  • バージョン管理や変更履歴の追跡の工夫
  • エクセルと他ツールの組み合わせによる強化

2.1 テンプレートやマクロの活用による作業効率化

エクセルで図面管理を効率化するための方法として、VBA(Visual Basic for Applications)を用いたマクロの活用があります。マクロを使用することで、作業を自動化し、手作業のミスを減らせます。

例えば、図面の進捗状況を自動で更新するマクロを作成することで、毎回の手入力を省略できます。また、変更履歴を自動で記録するマクロを導入すれば、誰がいつどの部分を変更したのかを簡単に追跡できます。

他にも、テンプレートを活用する方法も効果的です。図面管理に特化したエクセルテンプレートを使用することで、各プロジェクトに合わせたフォーマットを簡単に作成できます。これにより、一貫性のあるデータ管理ができ、情報の見落としを防げます。


2.2 バージョン管理や変更履歴の追跡の工夫

エクセルを使った図面管理において、バージョン管理や変更履歴の追跡は重要です。これらを効率的に行うための工夫として、「台帳管理」が有効です。

まず、図面管理台帳を作成し、図面番号、名称、バージョン、変更日時、変更内容、担当者などを一元管理する方法があります。この台帳の中で新たな変更があればそれを追記し、整理することで、どの図面がいつ、誰により、どのように変更されたのか把握できます。

次に、エクセルのコメント機能やセルのメモを活用し、変更理由や担当者のメモを記録する方法も有効です。さらに、シートコピー機能を使ってバージョンごとにシートを保存することで、過去のバージョンと現在のバージョンを比較することも可能です。

このように、エクセルの台帳管理を利用すれば、複数の図面に関するバージョン管理や変更履歴の追跡を容易に、そして確実に行えます。これにより、図面管理の負担を大きく軽減することができます。
台帳管理やコメント機能を駆使して、図面管理の手間を軽減し、プロジェクトの効率を向上させましょう。


2.3 エクセルと他のツールの組み合わせによる強化

エクセルだけで図面管理を行うのには限界がありますが、他のツールと組み合わせることでその効果を大幅に向上させることができます。

例えば、PDF管理ツールを併用することで、図面ファイルを簡単に閲覧・共有できるようになります。エクセルにPDFファイルのリンクを貼り付けることで、ワンクリックで関連図面を表示することが可能です。

また、Google DriveやDropboxといったクラウドストレージサービスとの連携も有効です。図面ファイルをクラウド上に保存し、チーム全体でリアルタイムにアクセス・共有できます。エクセルのシートにクラウドストレージへのリンクを設けることで、いつでもどこでも最新の図面にアクセスすることが可能です。

これらのツールをエクセルと組み合わせることで、図面管理の効率が飛躍的に向上します。

3. エクセルで図面管理するメリットとデメリット

メリットデメリット

エクセルは、図面管理においても、カスタマイズ性やコスト面でのメリットがあります。

3.1 エクセルで図面管理するメリット

エクセルで図面管理を行う際には、以下のようなメリットがあります。

使いやすさと普及度

エクセルは多くの企業や個人が日常的に使用しており、特別なトレーニングを受けなくても基本操作をすぐに習得できます。これにより、導入コストや教育コストを抑えられます。
また、利用者の多さから、オンライン上にも情報があふれており、困ったときには情報検索をすることや、他のユーザーからのアドバイスを得やすいという利点があります。

柔軟性とカスタマイズ性

エクセルは非常に自由度が高いため、ニーズに合わせて細かい設定変更や機能追加が可能です。また、テンプレートやマクロを使って自作の図面管理システムを構築できます。
これにより、プロジェクトの特性や規模に応じた最適な管理方法を実現します。

コスト削減

エクセルは多くの企業で既に導入されているため、新たなソフトウェアを購入する必要がありません。また、Microsoft Officeの一部のため、他のOfficeアプリケーションとの連携もスムーズです。
これらのメリットを活用することで、エクセルを使った図面管理が効果的に行えます。

3.2 エクセルで図面管理するデメリット

エクセルを使った図面管理には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。

データの整合性の問題

エクセルではデータの入力や編集が手動で行われるため、入力ミスや重複が発生しやすいです。たとえば、同じ図面について複数のバージョンが存在する場合、それぞれのバージョンの進捗状況や変更履歴を手動で更新する必要があります。

このような手動の作業は人為的なミスが発生しやすく、情報の一貫性を保つことが難しくなります。結果として、誤った情報に基づいてプロジェクトが進行する可能性は拭えません。

検索機能が限定的

エクセルで大量の図面データを管理する場合、必要な情報を素早く検索するのが難しくなります。特にプロジェクトが複雑化し、図面の数が増えると、特定の図面やその関連情報を探し出すのに多くの時間と労力がかかってしまいがちです。

例えば、特定のプロジェクトに関連するすべての図面を検索したい場合、エクセルの基本的な検索機能では不十分なことが多いです。

セキュリティの問題

エクセルファイルは簡単にコピーや共有ができるため、セキュリティ面で不安があります。特に機密性の高い図面を管理する場合、情報漏洩のリスクが高まります。

例えば、エクセルファイルをメールで送信したり、USBメモリに保存して持ち運んだりする際に、意図せずに第三者にアクセスされる可能性があります。パスワード保護や暗号化などの対策は可能ですが、これらの対策を徹底するのは難しく、完全なセキュリティを確保することは困難です。


4.図面管理システムで図面管理するメリットとデメリット

図面管理システムのメリデメ


ここでは、図面管理システムを利用して図面管理するメリットとデメリットについてご紹介します。

図面管理システムの導入は、大量の図面や複数人による作業が必要な場合に、特に有効です。エクセルでは限界があるため、より効率的に図面を管理したい場合は図面管理システムの導入を検討してみましょう。

4.1 図面管理システムで図面管理するメリット

図面管理システムを導入することで得られるメリットは多岐にわたります。その中で、主なメリットを3つ紹介します。

特に、大規模なプロジェクトや複雑な図面管理が必要な場合には、エクセルから図面管理システムへの移行を検討することをお勧めします。ぜひ、移行を検討されている方は、参考にしてください。

効率的なデータ管理

図面管理システムは、膨大な数の図面データを一元管理できます。図面管理システムでは一部、データの自動入力などを行うため、時間と労力を大幅に削減できます。 また、検索機能も充実しているため、すばやく図面を探しだせます。

変更履歴の追跡

図面管理システムは、図面の変更履歴を詳細に追跡できます。誰が、いつ、どのように変更したのかを簡単に確認できるため、変更に伴うトラブルを防げます。

セキュリティの向上

図面管理システムは、高度なセキュリティ機能が備わっており、アクセス権限を細かく設定できます。これにより、機密性の高い図面データを安全に保護することが可能です。

また、変更履歴も記録されるため、不正アクセスやデータの改ざんを防げます。

4.2 図面管理システムで図面管理するデメリット

図面管理システムは多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。

図面管理システムを導入する際には、これらのデメリットを十分に考慮し、プロジェクトの規模や予算、スタッフのスキルに応じて最適な選択を行うことが重要です。

初期導入コストが高い

図面管理システムを導入するためには、初期費用がかかります。システムの購入費用、インストール費用、さらにはトレーニング費用などが必要です。特に中小企業や予算が限られているプロジェクトでは、この初期費用が大きな負担となることがあります。

システムの学習と習熟が必要

新しいシステムを導入すると、それを使いこなすための学習と習熟が必要です。エクセルに慣れているスタッフにとって、新しい図面管理システムの操作方法を覚えるのは時間と労力がかかる場合があります。また、初期段階では、操作ミスが生じることも考えられます。

カスタマイズの制限

図面管理システムは、特定の業務フローに特化して設計されていないため、全てのプロジェクトや企業のニーズに完全に一致するわけではありません。カスタマイズが必要な場合、そのための追加費用や時間が必要になることがあります。

また、システムのアップデートにより、カスタマイズ部分が影響を受けるリスクもあります。

関連記事:図面管理システムとは?主な機能と導入するメリット


5. エクセルと図面管理システムの比較

エクセルと図面管理の比較

図面管理をいかに効率的かつ迅速に行うかは、各プロジェクトの成功に直結します。

エクセルと図面管理システムの両者が、図面管理を行うためのツールの選択肢として注目されています。

ここでは、そんな両者の違いを3つのポイントから具体的に紹介します。

  • 導入コスト
  • 運用の手軽さ
  • セキュリティ面の違い


5.1 導入コスト

エクセルは多くの企業で既にMicrosoft Officeの一部として導入されており、追加の購入費用が発生しない場合がほとんどです。そのため、初期投資が非常に低く抑えられるというメリットがあります。

また、エクセルの基本操作は多くの人が既に習得しているため、特別なトレーニングも不要です。

一方、専用の図面管理システムは初期導入費用が高くなることが一般的です。ソフトウェア自体の購入費用やライセンス費用がかかるだけでなく、導入に際しての設定やカスタマイズの費用も発生します。また、システムの操作方法を学ぶためのトレーニングが必要であり、これも追加のコストがかかります。

しかし、専用システムは高機能であり、長期的には効率化によるコスト削減効果が期待できます。

5.2 運用の手軽さ

エクセルは多くの人が使い慣れており、特別なトレーニングが不要です。テンプレートやマクロを使って簡単に自作の図面管理システムを構築でき、どのコンピュータでも利用可能です。また、特別なITスキルがなくても運用が手軽に行えます。

一方、専用の図面管理システムは初期設定が複雑で、導入後の運用もシステム特有の操作を習得する必要があります。使い始めはハードルが高いですが、一度習得すれば、バージョン管理や変更履歴の追跡など多くの業務が自動化され、長期的には運用が効率的です。

また、リアルタイムの情報共有が可能で、チーム全体での作業がスムーズに進行します。

結論として、短期的にはエクセルの運用が手軽ですが、長期的には専用の図面管理システムが効率的です。

5.3 セキュリティ面の違い

エクセルの場合、保管場所の安全性はパソコンのセキュリティ設定やファイルの保管環境に直結します。エクセルファイルはPC内部や外部ストレージに保存することが一般的ですが、これらは情報の流出や紛失が起こりうるリスクを抱えています。

また、エクセルではファイルそのものにパスワードを設定することは可能ですが、データベースを変更・閲覧できるユーザーを細かく制限することは難しいです。

一方、専用の図面管理システムは、通常あらかじめ複数のセキュリティレベルが用意されていて、利用者の役割や権限に応じて閲覧や編集の許可を設定できます。さらに、高度なセキュリティ機能も持っており、重要な図面データを安全に保管できるところがメリットです。

catalog_dl.png


6. まとめ

エクセルと図面管理システム、どちらの選択肢が最適かについては、利用する企業の状況によります。小規模かつ手軽に始めたい場合はエクセルも有効ですが、大量の図面データを管理し、セキュリティも確保したい場合には専用の図面管理システムの導入を考えることも大切です。

各自のニーズに合わせて最適な選択を行いましょう。

7.今後の図面管理の展望

現代の建設業界や製造業界はますます複雑化し、高度化し続けています。その中で、図面管理の方法もその変化に対応して進化していくことが求められます。

エクセルを使用した図面管理は、依然としてその手軽さから広く利用されていますが、図面の膨大な量や変更管理のための効率性を求められる現場では、図面管理システムの導入が進んでいます。

また、これからはAIや機械学習の技術が図面管理にも更に活かされることでしょう。これらの技術は、図面の解析や管理の自動化、さらなる効率化を実現します。

例えば、AIは図面データから必要な情報を瞬時に抽出したり、AI類似図面検索といったシステムで保有するデータから類似する図面を自動で探し出しだしたりする機能を持っています。一方で、これらの新しい技術の導入には、適切な運用やセキュリティ対策が求められます。

今後の図面管理の進化と共に、それぞれのプロジェクトに最適な図面管理方法を選択し、活用していくことが重要となります。

8.小中規模の製造業にもおすすめ!図面管理システム「NAZCA5 EDM」

oyakudachi_10_5.jpg
エクセルでの図面管理に比べて、図面管理システムを導入するには、費用がかかってしまいます。中小企業にとってはその費用を捻出することが難しい場合もあります。

新明和ソフトテクノロジ株式会社が提供する「NAZCA5 EDM(ナスカファイブ・イーディエム)」は、製造現場の声を反映して開発された使い勝手の良い図面管理システムです。

製造業が本当に使いたい機能を厳選することで、従来の図面管理ソフトより低コストでの提供を実現しています。また、お客様のご予算に合わせて、3つのプランをご用意しております。

「図面管理システムを導入したいけどコストが高くて導入できない」「機能が多すぎて使いこなせない」といったお客様は、ぜひ「NAZCA5 EDM」の導入をご検討ください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加