オンプレミス型 vs クラウド型!図面管理システムの比較
製造業において、効率的に図面管理を行うことは重要な課題です。正確に図面を管理し共有することは、生産プロセスの効率UPと最終的には品質の向上に直結します。図面管理システムを導入する際には、オンプレミス型のシステムかクラウド型のシステムか、どちらを選択するかという重要な選択肢を検討する必要があります。本記事では、オンプレミスとクラウドの特徴、メリット、デメリットを比較し、導入前に考慮すべきポイントについて解説します。
目次
図面管理システムとは
図面管理システムは、製造業や建設業などの現場で使用される、図面やそれに関連する情報を効率的に管理するためのシステムです。
図面管理システムの機能としては、図面の検索、バージョン管理、承認ワークフローなどが挙げられます。
また、図面の紛失リスクを軽減し、効率的な保管・検索が可能です。また、図面や関連する情報を一元管理することで、情報共有を可能にし、様々なタスクを効率化します。
さらに、現場の環境やお客様の状況に合わせて、オンプレミス型やクラウド型のいずれかを選択できます。導入方法の選択には、企業のニーズや環境、コスト・セキュリティ・利便性などの要素を考慮する必要があります。
図面管理システムは、製造業や建設業などの業界で広く利用されており、製造業のDX推進の一環としても重要な役割を果たしています。
関連記事:「図面管理システムとは?主な機能と導入するメリット」
図面管理システムの機能と利点
図面管理システムは、図面や関連する情報を効率的に管理するための機能を提供します。
まず、図面をプレビューしたり、選択した図面を一括印刷するなどの機能があります。これにより、図面を簡単に閲覧したり、必要な情報をプレビューしたりすることができます。
また、自動採番や図面の検索、バージョン管理、承認ワークフローなどの機能も搭載されています。これらの機能により、図面の管理や更新履歴の確認、承認プロセスの効率化などを実現することができます。
図面管理システムを導入するメリットは、図面の保管スペースを削減できる点や、図面の紛失リスクを軽減できる点が挙げられます。また、図面や関連する情報を一元管理することで、現場での情報共有やタスクの効率化、迅速な意思決定なども可能となります。
さらに、図面管理システムは、生産性向上や品質管理の向上、コスト削減などの効果も期待できます。
関連記事:「図面管理システムを導入するメリットとその壁とは?」
図面管理システムの選定ポイント
図面管理システムを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
まず、図面管理システムを運用する目的や現場のニーズを明確にしましょう。図面管理システムの導入目的や要件に応じて、必要な機能や導入方法、対応する業界や現場の特性などを考慮することが必要です。
次に、オンプレミス型かクラウド型か、いずれかの導入方法を検討しましょう。オンプレミス型は、企業内のサーバーやネットワークにシステムを構築する方法です。一方、クラウド型は、外部のデータセンターやクラウドサービスを利用する方法です。どちらを選択するかによって、セキュリティやコスト、利便性などが影響します。
また、パッケージの導入か、カスタマイズによる導入か、あるいはスクラッチ開発かを検討しましょう。パッケージは、既存のシステムを導入する方法であり、カスタマイズは、既存のシステムやパッケージの一部を少し変更して要件に合わせる方法です。スクラッチ開発は、企業独自のシステムを開発する方法です。各方法には、導入コストや導入期間、導入後の保守の手間などが異なります。
以上のポイントを考慮しながら、図面管理システムを選ぶことで、現場の情報管理を効率化し、生産性向上や品質管理の向上、コスト削減などの効果を期待することができます。
オンプレミス型の図面管理システム
オンプレミス型の図面管理システムは、自社内のサーバーやネットワークに導入するシステムです。その特長は以下の通りです。
まず一つ目の特長は、セキュリティ面です。オンプレミス型では、図面の管理が自社内で完結するため、セキュリティの管理を厳密に行うことができます。重要な図面や機密情報を取り扱う場合には、セキュリティが非常に重要ですので、オンプレミス型は適しています。
また、オンプレミス型はカスタマイズ性に富んでいます。自社のニーズに合わせてカスタマイズが可能であり、図面管理システムをより効率的かつ使いやすくすることができます。業務の効率化や独自のワークフローの導入など、さまざまな要件に対応できるのがメリットです。
さらに、図面の大容量データを高速に処理できることもオンプレミス型の特長です。専用のサーバーやネットワークを利用することで、大容量の図面ファイルのアップロードやダウンロードが円滑に行えます。現場や海外拠点からでもスムーズに図面の参照や編集を行えるため、生産性の向上にも繋がるでしょう。
オンプレミス型を選択した場合の特色
オンプレミス型の図面管理システムを選択した場合、例えば専用のソフトウェアを導入して独自に構築する方法があります。この場合、自社で独自の要件に合わせたシステムを構築することができますが、その分自社のITリソースや専門知識が必要となります。
また、パッケージソフトウェアを導入する方法もあります。主要なIT企業やソフトウェアベンダーが提供する図面管理システムの中から、自社に最適なものを選ぶことができます。この場合、導入コストや保守サポートなども考慮して選ぶことが重要です。
オンプレミス型の図面管理システムの選択に際しては、セキュリティやカスタマイズ性、大容量データの処理能力など、自社のニーズや要件を十分に考慮する必要があります。
クラウド型の図面管理システム
クラウド型の図面管理システムの特長は、リモートアクセスが可能であり、インターネットに接続することで、いつでもどこからでもアクセスできます。これにより、リモートワークや複数の拠点での作業が容易になります。
また、クラウドサービスプロバイダがデータの暗号化、アクセス制御、バックアップなどのセキュリティ対策を行っているケースが多く、データのセキュリティが確保されます。これにより、情報漏洩やデータ損失のリスクを軽減することができます。
また、クラウド型の図面管理システムでは容量の柔軟性があります。必要な容量を柔軟にスケーリングすることができるため、プロジェクトの規模に合わせて容量を増減することが可能です。
また、クラウド型の図面管理システムではデータのバックアップを自動的に行う機能を備えているシステムが多いです。これにより、データの紛失や破損に対するリスクを低減することができます。これらの特長により、クラウド型の図面管理システムはプロジェクトの効率性と生産性を向上させることができます。
クラウド型を選択した場合の特色
クラウド型の図面管理システムの選択肢は、さまざまな製品が存在します。クラウドを意識することなく、クラウドサービスのパッケージをそのまま利用する方法や、パッケージをAWSなどのクラウドに構築する方法など、選択肢が多くあります。
クラウド型の図面管理システムは、お客様自身によるサーバーやネットワーク機器の購入や設置・保守・管理の手間が不要であり、必要なリソースを柔軟にスケーリングできることが最大の特色です。また、クラウドプロバイダはセキュリティや可用性などの面で高い水準を提供することが期待できますが、データの保存先やセキュリティポリシーはプロバイダに依存することになります。
また、クラウドサービスをそのまま利用する場合は、企業の現場環境に仕様が合わないケースも多く、クラウドサービスを使いこなせない場合もあります。そのような場合は、カスタマイズ可能なクラウド対応型のパッケージソフトを、AWSなどのクラウド環境に構築して利用する、という方法があります。
オンプレミス型 vs クラウド型の選択
図面管理システムを導入する際には、オンプレミス型かクラウド型かという選択があります。どちらが最適なのか選ぶためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。具体的には、コスト、セキュリティ、利便性の3つの観点から検討することが重要です。
オンプレミス型とクラウド型、コストはどちらが優位?
オンプレミス型の図面管理システムは、システム導入時にハードウェアの設置やソフトウェアのライセンスを購入する必要があります。これに加えて、オンプレミス型ではシステムの運用・保守、セキュリティ対策のための人材を雇う必要もあります。それに対して、クラウド型の図面管理システムは初期費用が少なく、月額の利用料金だけで利用することができます。
また、システムの運用・保守やセキュリティ対策などはクラウドサービスプロバイダーが担当するため、削減することができます。コスト的に安くなるのは、クラウドの傾向にあります。ですが、結果的にどちらが優位かは、企業が何を求めるかによるため一概には結論づけられません。自社にとって何を優先するか、を検討したうえでオンプレミス型かクラウド型か、いずれかを選択しましょう。
オンプレミス型とクラウド型、セキュリティはどちらが高い?
オンプレミス型の図面管理システムでは、セキュリティ対策は自社で行う必要があります。物理的なセキュリティ対策やデータのバックアップ、不正アクセス対策などが重要となります。自社の対策次第では、強固なセキュリティ設定することが可能です。
一方、クラウド型の図面管理システムでは、クラウドサービスプロバイダーがセキュリティ対策を行っています。全通信の暗号化や2段階認証などのセキュリティ対策が施されているケースもあり、安全に図面データを管理することができます。
一般的には社内ネットワークに閉じた環境をつくれるオンプレミスのほうがセキュリティは高いですが、昨今では、前述のとおりクラウド型でも様々なセキュリティ対策の選択肢があり、やはり、自社の環境に合わせて選択するのが良いでしょう。
オンプレミス型とクラウド型、どちらが利便性が高い?
オンプレミス型の図面管理システムでは、システムへのアクセスを社内ネットワークに閉じることが比較的容易です。つまり、オフィス内や工場内など特定の場所からしか利用できません。一方、クラウド型の図面管理システムはインターネットに接続すればどこからでも利用できるよう設定することが容易です。現場や出張先、海外など、場所を選ばずに図面管理ができるため、利便性が高いと言えます。
以上のポイントを考慮することで、最適な図面管理システムを選択することができます。オンプレミス型の場合は、高いセキュリティ性やカスタマイズ性を重視する場合に適しています。一方、クラウド型の場合は、低コストかつ利便性が高いため、柔軟な運用が可能な場合に選ばれることが多いです。目的やニーズに合わせて適切な図面管理システムを導入し、効果的な図面管理を実現しましょう。
結論は?企業のニーズに合わせてオンプレミス型 OR クラウド型を選択しましょう
図面管理システムのオンプレミス型とクラウド型のそれぞれには、特色や利点があります。オンプレミス型は、セキュリティやデータ管理の面で優れており、大規模な企業や機密性が高い情報を扱う場合に適しています。一方、クラウド型は、柔軟性や拡張性が高く、リモートワークや作業現場での利便性に優れています。
選択のポイントは、コスト、セキュリティ、利便性です。オンプレミス型は、ハードウェアや設備の導入、メンテナンスにコストがかかりますが、セキュリティが高く、自社のネットワーク内で完全に管理できるという利点があります。一方、クラウド型は、初期導入費用が低く、柔軟な料金体系がありますが、外部へのデータの保存やセキュリティに対する不安があるかもしれません。
利便性という観点では、オンプレミス型は社内のみで利用できますが、クラウド型はインターネットに接続する環境があれば、いつでもどこでもアクセス可能です。特に、現場作業やリモートワークが必要な場合には、クラウド型が便利です。
したがって、図面管理システムの選択は、それぞれのニーズに合わせて行うべきです。セキュリティが重視される場合はオンプレミス型を、柔軟性と利便性が求められる場合はクラウド型を選択することが適切です。企業の規模や業種、ニーズによっても異なるため、慎重に選択することが重要です。
図面管理システムの選択にはさまざまな製品が存在していますので、それらを比較検討し、自社のニーズに合ったシステムを導入することが望ましいでしょう。図面管理システムの導入により、図面の効率的な管理や活用が可能となりますので、製造業や建設業などの業界においては重要な一環となっています。
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