図面管理システムはオンプレミスとクラウドのどちらを選ぶ?違いも解説
※本記事は2024年3月1日に公開した記事を、2026年10月26日に更新したものです。
図面管理システムの導入を検討し始めたものの、クラウドとオンプレミスのどちらを選べばよいか迷う方は少なくありません。とくに機密性の高い図面を扱う製造業の方は、セキュリティやコスト、運用の手間の違いが気になるのではないでしょうか。提供形態を選ぶ際は、それぞれのメリット・デメリットを把握し、自社のニーズや環境と照らし合わせることが大切です。
こちらでは、クラウドとオンプレミスの違いを比較表で整理し、自社に合う選び方までをまとめました。判断の軸を押さえておけば、導入後に「想定と違った」と感じるリスクを減らしやすくなるはずです。提供形態で迷っている方は、自社に合う選択肢を見極める参考にしてください。
目次
1.オンプレミスとクラウドの違い

図面管理システムの提供形態には、自社内にサーバーを置いて運用するオンプレミスと、外部のデータセンターやクラウドサービスを利用するクラウドの2つがあります。どちらを選ぶかで、セキュリティの管理方法やコスト、利便性が変わってきます。
ここでは、まず両者の違いを比較表で整理し、それぞれの仕組みと特徴を見ていきましょう。図面管理システムの機能や選び方の全体像は、こちらの記事で整理していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:図面管理システムとは?課題・選び方から運用・検索方法まで基礎を解説
1.1 オンプレミスとクラウドの比較表
両者のおもな違いは以下のとおりです。
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比較項目 |
オンプレミス |
クラウド |
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構築場所 |
自社内のサーバー・ネットワーク |
外部のデータセンター・クラウドサービス |
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初期費用 |
サーバーやネットワーク機器の購入が必要 |
機器の購入が不要で抑えやすい |
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運用・保守 |
自社で設置・保守・管理を行う |
機器の保守・管理の手間が不要 |
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セキュリティの管理 |
自社内で完結し、独自の基準で管理できる |
サービス事業者の対策に委ねる部分がある |
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カスタマイズ性 |
自社のニーズに合わせやすい |
提供される機能の範囲が基本になる |
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社外からのアクセス |
別途、接続環境の整備が必要 |
インターネット経由でアクセスしやすい |
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容量の拡張 |
機器の増設が必要 |
必要に応じて柔軟に増減できる |
どちらが優れているというより、自社の環境や重視するポイントによって向き不向きが分かれる点を押さえておきましょう。
1.2 オンプレミスの仕組みと特徴
オンプレミスは、自社内にサーバーやネットワーク機器を用意し、そこに図面管理システムを導入して運用する形態です。システムやデータは社内の環境に置かれ、利用者は社内ネットワークを通じて図面を検索・閲覧します。サーバーの設置から保守、バックアップまで、運用は基本的に自社の情報システム部門などが担います。
費用面では、導入時にサーバー機器の購入やシステム構築の費用が発生し、その後は保守費用などがかかるのが一般的です。システムを自社で所有・管理する点が、オンプレミスの大きな特徴といえるでしょう。
1.3 クラウドの仕組みと特徴
クラウドは、サービス事業者が用意したデータセンターやクラウド環境上で図面管理システムを利用する形態です。システムやデータは社外のサーバーに置かれ、利用者はインターネットを経由して図面にアクセスします。サーバーの保守やインフラの管理は、おもにサービス事業者が担います。
費用面では、月額や年額で利用料を支払う形が一般的です。なお、クラウドにはサービスのパッケージをそのまま利用する方法のほか、パッケージをAWSなどのクラウド環境に構築する方法もあります。
2.オンプレミス・クラウドのメリットとデメリット

オンプレミスとクラウドには、それぞれに強みと注意点があります。導入後に後悔しないためには、メリットだけでなくデメリットも把握したうえで比較することが大切です。ここでは、両者のメリット・デメリットに加え、図面ならではの大容量データを扱う際の注意点を見ていきます。
2.1 オンプレミスのメリット・デメリット
オンプレミスの最大のメリットは、セキュリティを自社の基準で厳密に管理できる点です。図面の管理が社内で完結するため、重要な図面や機密情報を扱う企業にとって心強いでしょう。また、カスタマイズの自由度が高く、独自のワークフローなど自社の業務に合った使い勝手を追求しやすい点も魅力です。
一方で、サーバーやネットワーク機器の購入・設置を伴うため、初期費用がかかりやすい傾向があります。導入後の保守・管理も自社で担うことになり、ITリソースや専門知識が欠かせません。また、社外や他拠点から利用するには、接続環境を別途整える必要がある点にも注意しましょう。
2.2 クラウドのメリット・デメリット
クラウドのメリットは、インターネットに接続すれば場所を問わず図面にアクセスできる点です。リモートワークや複数拠点での図面共有がスムーズになり、業務の効率化につながります。サーバー機器の購入や保守が不要なため、初期費用や運用の手間を抑えやすいのも利点の1つです。さらに、必要な容量を柔軟に増減可能なうえ、多くのサービスでは事業者がデータの暗号化やアクセス制御、自動バックアップなどの対策を行っています。
一方で、利用料が継続して発生するため、長期的には総コストがかさむ場合があります。また、セキュリティ対策の一部はサービス事業者が担うのが一般的です。そのため、データの保存先やセキュリティポリシーを事前に確認しましょう。
なお、提供される機能の範囲での利用が基本となり、自社独自の要件には対応しにくいケースもあります。クラウドの費用については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:図面管理システムの導入コストの内訳とは?企業規模別に費用相場も解説
2.3 CADデータなど大容量の図面を扱う際の注意点
図面管理システムで扱うCADデータや3Dモデルは、一般的な文書ファイルに比べて容量が大きくなりがちです。そのため、提供形態を選ぶ際は、大容量データをどれだけ快適に扱えるかも確かめておくとよいでしょう。
オンプレミスは専用のサーバーやネットワークを利用するため、社内であれば大容量ファイルのアップロードやダウンロードも円滑に行えます。クラウドの場合は、回線速度や通信環境によって表示や転送に時間がかかることもあるため、事前の検証が欠かせません。
保存する図面の量や今後の増加も見込んで、容量の拡張方法やコストを比較しておくと判断しやすくなります。導入前に実際のデータで動作を試せるかどうかも、チェックしておきたいポイントです。
3.自社に合う提供形態の選び方

オンプレミスとクラウドのどちらが適しているかは、扱う図面の性質や働き方、社内の体制によって異なります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、ここでは自社の状況から判断するための目安をまとめました。あわせて、提供形態とともに検討しておきたい導入方法も見ていきましょう。
3.1 オンプレミスが向いている企業
オンプレミスは、取引先との契約や社内規程により、図面データを社外に置けない企業に適しています。機密性の高い図面を多く扱い、独自のセキュリティ基準を設けている場合も、検討する価値があるでしょう。
また、既存の生産管理システムや基幹システムと密に連携させたい企業や、独自の承認フローに合わせて細かく作り込みたい企業にも向いています。社内にサーバーを運用・保守できる体制が整っているかどうかも、判断のポイントです。
3.2 クラウドが向いている企業
クラウドは、複数の拠点や工場、協力会社と図面を共有する機会が多い企業に向いています。営業担当者や現場の担当者が、外出先から図面を確認したい場合にも有力な選択肢となるでしょう。
社内にサーバー管理の専任者がいない企業や、初期費用を抑えてスモールスタートしたい企業にも適しています。利用人数や図面の量が今後増える見込みがある場合も、容量を拡張しやすいクラウドが候補になります。ただし、データの社外保管に関する社内規程や取引先の要件は、事前に確認しておきましょう。
3.3 提供形態とあわせて検討したい導入方法
提供形態とあわせて検討したいのが、システムの導入方法です。図面管理システムの導入方法には、おもにパッケージ、カスタマイズ、スクラッチ開発の3つがあります。
パッケージは既製のシステムをそのまま利用するため、短期間かつ比較的低コストで導入しやすい方法です。カスタマイズはパッケージをベースに自社の業務に合わせて機能を追加・変更する方法、スクラッチ開発はゼロから独自のシステムを構築する方法です。
提供形態と導入方法の組み合わせによって、コストや導入期間、使い勝手は大きく変わります。自社の課題と予算を整理したうえで、両方の観点から最適な組み合わせを検討しましょう。導入方法の選び方を詳しく知りたい方は、パッケージとカスタマイズを比較した記事も参考にしてください。
関連記事:図面管理システムはカスタマイズする?パッケージのまま使う?選び方を解説
4.オンプレミス・クラウドの両方に対応するならNAZCA5 EDM
図面管理システムの提供形態には、自社内のサーバーで運用するオンプレミスと、外部の環境を利用するクラウドがあります。オンプレミスはセキュリティやカスタマイズの自由度に優れ、クラウドは場所を問わないアクセスや運用負担の軽さが魅力です。扱う図面の機密性や社内の体制と照らし合わせて選びましょう。
「NAZCA5 EDM」は、オンプレミスのシステムでありながら、クラウド環境への構築にも対応した図面管理システムです。導入後に業務の変化に合わせてクラウドへ移行する運用も選べます。ユーザー数フリーのサーバライセンスのため、利用者の多い企業でも同一価格でご利用いただけます。提供形態でお迷いの方は、お気軽にご相談ください。
【Q&A】図面管理システムのオンプレミスとクラウドに関するよくある質問
Q1.図面管理システムのオンプレミスとクラウドの違いは何ですか?
A.大きな違いは、システムやデータをどこに置き、誰が運用するかです。オンプレミスは自社内のサーバーにシステムを導入し、自社で運用・保守を行います。クラウドは外部のデータセンターやクラウド環境を利用し、インフラの管理はおもにサービス事業者が担います。
Q2.セキュリティ面では、オンプレミスとクラウドのどちらが優れていますか?
A.一概にどちらが優れているとはいえません。オンプレミスは図面の管理が社内で完結するため、自社の基準で厳密に管理しやすい形態です。一方、クラウドでも多くのサービスがデータの暗号化やアクセス制御、自動バックアップなどの対策を行っています。
Q3.導入コストはオンプレミスとクラウドのどちらが抑えられますか?
A.初期費用はクラウドのほうが抑えやすい傾向にあります。オンプレミスはサーバーやネットワーク機器の購入・構築が必要になるためです。ただし、クラウドは利用料が継続して発生するので、長期的には総コストがかさむ場合もあります。利用期間や利用人数を想定し、トータルで比較することが大切です。




