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製造業において、製品の開発や生産には図面が欠かせません。図面は製品の設計や製造手順を示し、品質管理や製品の改良にも必要不可欠です。しかし、図面の保管期間や管理方法については意識されることが少なく、問題が生じることもあります。図面の保管には、製品の品質保証や法的な要件、また、図面の保管期間が関係しています。特に、PL法(製品責任法)によって、企業は製品の安全性や品質を保証する責任を負っています。この記事では、PL法による図面の保管義務や図面の保管期間について詳しく解説していきます。

製造業における図面の保管期間と重要性

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製造業における図面の保管期間と重要性

製造業において、製品の開発や生産には図面が欠かせません。図面は製品の設計や製造手順を示し、品質管理や製品の改良にも必要不可欠です。しかし、図面の保管期間や管理方法については意識されることが少なく、問題が生じることもあります。図面の保管には、製品の品質保証や法的な要件、また、図面の保管期間が関係しています。特に、PL法(製品責任法)によって、企業は製品の安全性や品質を保証する責任を負っています。

この記事では、PL法による図面の保管義務や図面の保管期間について詳しく解説していきます。

目次

1.図面の保管と製造物責任法(PL法)

図面の保管と製造物責任法(PL法)


製造業において、図面の保管は非常に重要です。特に、製造物責任法(PL法)に基づいて図面の保管義務があります。

PL法とは

PL法(Product Liability Law)とは、製造業における製品責任に関する法律であり、製品の品質や安全性を確保するために存在します。この法律は、自社(製造元)が製造・販売した製品によって生じた損害に対して責任を負うことを定めています。具体的には、製造元は製品の設計、製造、検査、品質管理などの全ての段階で安全性を確保する責任があります。また、消費者は製品によって生じた損害に対して製造元に対して賠償を請求する権利があり、PL法は消費者の権利を保護し、公正な解決が行われることを保証しています。さらに、製造元は製品に関する正確かつ適切な情報を提供する責任があり、製品の取り扱い方法、注意事項、警告、リスクなどを消費者に明確に伝える必要があります。ただし、PL法は国や地域によって異なる場合があるため、具体的な法律の内容や適用範囲については、各国や地域の法律を確認する必要があります。

PL法による図面保管の義務

PL法には、製造元が製品の設計図面を一定期間保存する義務が含まれています。この義務は、製品の安全性や品質を確保するために重要な役割を果たしています。

具体的には、製造元は製品の製造・販売時に使用した設計図面を、一定期間(一般的には数年から十数年程度)保管する必要があります。

図面の保管は、将来の製品の安全性確保や品質問題の解決に役立つため、重要な管理措置となります。製品に問題が発生した場合、製造元は図面を参照して設計や製造の過程を確認し、問題の原因を特定することができます。 

また、図面の保管は法的な要件としても求められることがあります。PL法に違反すると、製造元は法的な責任を負う可能性があります。そのため、図面の保管は法令を遵守するためにも重要です。

図面のデータ化と図面管理システムの重要性

製造業が図面管理を効率化する方法として、図面を電子化し、システムで管理することが重要です。電子的な形式で図面を保存することで、検索性や共有性が向上し、管理が容易になります。

図面のデータ化と図面管理システムの重要性については、別記事で記載しているので、以下を参照ください。

関連記事①:図面管理システムとは?主な機能と導入するメリット
関連記事②:図面管理の課題と効率的に行うためのポイントについて解説


2.図面の保管期間とは?保管期間はどう決まる?

図面の保管期間とは?保管期間はどう決まる?


製造業において、図面の保管期間は重要な要素です。本章では、図面の保管期間がどのように決まるのかについて説明します。

製品の寿命と保管期間の関係

製品の寿命は、製品の販売開始から後継品などの次世代製品への切り替えまでが一般的です。しかしながら、この寿命は製品需要や技術の進歩によって変動します。図面や技術資料は、製品の設計や製造に必要な情報を含んでいます。したがって、図面や技術文章の保管期間は、製品の特性や安全性などを鑑みて決定されます

また、データの長期保存期間には法的な要件や規制も関与します。特に、特許や知的財産権に関連するデータは、長期保存が求められることがあります。

製品の性質と図面、技術資料の保管

製品の性質も、図面や技術資料の保管期間に関わってきます。例えば、消費財のような短命の製品の図面は、保管期間も比較的短くなる傾向があります。一方で、安全性や品質に直結する重要な製品の図面は長期保存の必要性が高くなります。また、長期販売される製品や特殊な部品を含む製品の場合、図面や技術資料の保管期間も長くなることがあります。 

保管期間の決定には、企業の内部規定や業界標準も影響します。また、品質管理や品質保証の要件によっても保管期間が決まることがあります。

以上が、図面の保管期間とそれに関わる要素です。これらの要素を考慮して、製造業における図面の保管期間を決定することが重要です。 

次に、図面の重要性と活用方法について述べます。

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3.図面の重要性と活用方法

図面の重要性と活用方法


図面は製造業において重要な役割を果たしています。図面は製品の設計や製造に必要な情報を提供し、製品の品質や製造効率を向上させるために必須です。本章では、図面の重要性とその活用方法について説明します。

紙図面の利用とその更新

製造業において、紙図面は依然として重要な役割を果たしています。図面を手に取りながら作業を行うことで、作業者は直感的に理解しやすく、作業の効率化につながります。しかし、紙図面は更新が必要な際には手作業での修正が必要であり、管理が煩雑になることもあります。

図面のペーパーレス化に関する記事を以下で書いています。ぜひ参照してみてください。

関連記事①:図面のペーパーレス化による業務効率化のポイント
関連記事②:ペーパーレス化の進め方とは?進める際の注意点や実現するために必要なツール・システムを紹介


図面を利用する各シーンとその重要性

図面は製造業において、製品の設計から製造、品質管理、メンテナンスまでの各シーンで利用されます。図面がどのように活用されるか、以下に説明します。

設計の段階では、図面には製品の形状や寸法、材料などの情報が記載されています。設計者は図面を基に製品を設計し、正確な図面を作成することで製品の品質を確保することができます。
製造の段階では、図面には製品の組み立て手順や工程が記されています。図面を正確に理解し、遵守することで正確な製品を製造することができます。
検査の段階では、図面は品質管理の基礎となります。図面は製品の仕様や検査基準を記し、品質を確保するために重要な役割を果たします。品質管理者は図面を基に検査や品質調査を行い、製品の品質を維持することが求められます。

製品を納品後も、図面は製品のメンテナンスや修理において利用されます。図面は製品の構造や部品配置を示し、メンテナンス作業の効率化や正確性を向上させるために重要です。メンテナンス担当者は図面を参照しながら作業を行い、製品の状態を正確に把握することが求められます。

図面は製造業において欠かせないツールであり、各シーンでの正確な活用が重要です。図面を適切に活用することで、製品の品質向上や作業効率の向上に繋がることが期待されます。

4.製造業にとって重要な図面は、図面管理システムで管理しましょう。

製造業にとって重要な図面は、図面管理システムで管理しましょう。


図面管理システムを導入すれば、数々の図面や関連資料などを、システムで一元管理できるようになります。

まず、PL法による図面の保管義務を遵守するために、図面管理システムは大きな助けとなります。図面をデータ化することで、図面の保存や検索が容易になり、必要な情報を迅速かつ正確に取得できます。また、図面のバージョン管理や変更履歴の追跡もシステム上で簡単に行えるようになります。さらに、図面の保管期間に関しても、図面管理システムは効果的です。データで図面を保存することは、紙の劣化や紛失のリスクを軽減し、長期間にわたって図面を保管することができます。

図面管理システムの導入は、製造業における品質管理や法的要件の遵守において重要な役割を果たします。紙図面での管理に比べて効率的で信頼性の高い図面管理を実現し、企業の業務プロセスを向上させることが期待できます。

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